良作!零濡鴉ノ巫女感想レビュー:湿度抜群のぬれぬれ和風ホラー
2021/11/07
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PS4リマスター版の「零 ~濡鴉ノ巫女~」をクリアしたので、感想レビュー評価を書いていきます。
久々の零は全体として面白かったです。
本記事は、核心とまではいかない(ステージ構成など)の軽度ネタバレを含みます。
こちらもどうぞ。
→「零 ~濡鴉ノ巫女~」攻略:戦闘のコツ・おすすめ強化レンズなど
零 ~濡鴉ノ巫女~について
「零」シリーズは、テクモ(現:コーエーテクモゲームス)によるホラーゲームシリーズです。
今や数少ない和風ホラーのアクションゲームで、過去作は個人的にどれも傑作でした。
最新作がついにリマスターで復活
「零 ~濡鴉ノ巫女~」はもともとWiiUで2014年7月29日に発売された作品です。
私が今回プレイしたのはリマスター版で、2021年10月31日にSwitch/PS5/PS4/X|S/XB1/PCで発売。
実に7年の時を経て最新ハードに復活しています。
零 ~濡鴉ノ巫女~の感想レビュー
さて、それではクリアした感想です。
良いところ、悪いところをそれぞれ書いていきます。
「零 ~濡鴉ノ巫女~」の良かったところ
- 今作もしっかり「零」している
- キャラが美男美女ぞろい
- 過去作キャラが出てくる
- 戦闘が面白い
- ロードがはやい
- 足が遅くていい
- フォトモード実装(リマスターのみ)
良かった点を一つずつピックアップしていきます。
今作もしっかり「零」している
「零シリーズはハズレがない」と言われますが、今作も無事達成されています。トレーラーを見て期待することはちゃんと満たしてくれます。
廃墟と化した日本家屋。
封鎖的な村の古い因習、儀式。
西洋にはない、じめじめと陰鬱な和風ホラーの良さはしっかり引き継がれています。
零シリーズ最新作として安心してプレイできます。
キャラが美男美女ぞろい
零シリーズの特徴なんですが、主要人物が全員イケメン&美女です。特に女性陣は衣装もあいまってセクシー。胸揺れ、パンチラも実装。
また今作のユニークなシステムとして「濡れシステム」なるものがあります。雨に濡れたりすると、戦闘難易度が変化したりする他、キャラの見た目にも反映されます。服が肌に貼りついたりして、女性陣はスケスケでよりセクシーになります。
戦闘が面白い
毎度思ってますが、ホラーゲームで写真撮って霊と戦うってアイデアは本当に天才的。
ロードがはやい
PS4版しかやってないんですが今作はロードが速いです。
毎回3秒以内で終わり頻度も高くないため、最後まで快適にプレイできました。
和ゲーは狭いエリア読み込みでもロード長い作品が多い印象の中、なにげにこれってスゴイのでは。
フォトモード実装(リマスターのみ)
どこでも好きな写真が撮れるフォトモードがリマスター版ではつきました。
他のゲームと同じく、
- キャラの配置
- ポーズ・表情変更
- レンズ効果
- アングル
- フレーム
など一通りのことはできます。
女性キャラのローアングルはキャラが透けるので見られません。防御力が高いです。
「零 ~濡鴉ノ巫女~」の不満だったところ
- あまり怖くない
- 下山しすぎ問題「二度とでられない山(笑)」
- 同じ箇所を行ったり来たりが多い
- 一部操作性に問題がある
- キャラデザが浮いてる
- アイテムひろい関連(拾った後角度がかわる、白い手の反応厳しすぎ
- テキスト系アイテムが多い
- 口パクがあってない(アプデ修正済み)
- 倒した位置によっては看取りができない
- 監視カメラステージがめんどくさい
特に気になったものを一つずつピックアップしていきます。
あまり怖くない
超主観なんですが、今作はあまり怖さを感じませんでした。自分にホラー耐性がついただけかもしれませんが、過去作ほどの恐怖がなかった気がします。
ネットのレビューをみると「画質が綺麗になったことの弊害として、幽霊の作り物っぽさが増してしまった」という意見があり、なるほどこれも一因なのかもと。
下山しすぎ問題「二度とでられない山(笑)」
ストーリー面で、下山しすぎなのが悪い意味で気になりました。
今作のメイン舞台となる日上山ですが、主人公らが目的を達成するたびに下山して帰宅します。話のテンポが落ちるし、緊張感も途切れます。
そもそもあの山ってそんなに簡単に出入りできるものなのでしょうか。「この山へ入った者はもう二度と出られない……」みたいなことを霊が言ってるのに、普通に次のカットで帰宅してるのは笑いました。そして落ち着いたらまた出かける。行方不明者もガンガン連れ帰る。
日帰りのピクニック状態です。高尾山かな?
同じ箇所を行ったり来たりが多い
今作一番の不満点がこれ。
同じところを行ったり来たりさせられる場面が非常に多いです。
帰宅→また登りなおすのパターンが頻出します。最終ミッションなんて一から登山をほぼ3人分やらされる。移動スピードが遅いのもあいまってつらかったです。
探索中も、施錠された扉や、「今はこっちに用はない」な道とかがあってモヤモヤさせられる。初見でも「ここ、また来るのか…」と察してしまいます。「今は取れない宝箱」のパターンです。
ステージの使い回しによる水増し感が強いです。
一部操作性に問題がある
キャラクターを動かす際の視点移動に難があります。特に正面を向く動作は最後まで慣れませんでした。旋回移動も苦手です。
不自由さも、ゲームにおける恐怖演出の一つではあると思いますが、これは単純に不便に感じました。
一部キャラデザが浮いてる
良いところでも挙げた美男美女だらけのキャラデザ。ネガティブな面もあります。
でるやつでるやつマネキンのような整い具合なので、もうちょっとバリエーションが欲しいと思いました。美形揃えればいいってもんじゃないとも思うんですが、そこは個人の好みでしょうか。
あと一部は世界観から浮いてます。
例えば「白菊」というキャラ↓
こんな日本人いる??
ていうかド田舎の山村ですよ。こんなMMORPGのアバターみたいなやつおらんやろ…。
他にも、神社で遊んでる子どもの霊にゴスロリ着てる子とかがいて謎。舞台の雰囲気にそぐわなすぎでは。スタッフの趣味を優先させるな。
ヒロインらの服装も、山に行くにしては露出が多いです。霊よりやぶ蚊のほうが怖そう。
アイテムひろい関連がだるい
落ちているアイテムをひろうたびにボタン長押しさせられるのがだるすぎました。一定確率でゴーストハンドが出てビックリ!!…という演出なのですが、驚くのは最初の数回だけ。全編通してあれに付き合わされるのはしんどかったです。
回避受付も短いです。
何度腕をつかまれたことか。
ボタン割り当ても「寄香」というアクションと同じボタンなので、誤爆することが何度かありました。未使用の別ボタンに割り当ててほしかったです。
あと、ひろう中は固定アングルに切り替わるため、ひろう前後で方向認識を見失うことも多かった。
テキストを読ませるだけな演出が多い
ゲームという媒体なのに、ところどころで文章のみで補完する箇所が多かったです。ややチープさを感じました。
文章を読むファイル系のアイテム。今作もいっぱい落ちてます。世界観を深堀りするための読み物なのはわかるんですが、ふんわりした内容とスピリチュアルな語彙、改行が独特なのもあって目が滑るのなんのって。ページ数が5とかあるやつはほぼ読み飛ばしていました。
ミッション開始時のあらすじもボイスなしで画面に数行のテキストが出るだけ。昨今のリッチなゲームに慣れていると演出が貧弱に感じられます。
フォトモードがやや不便
良い点に挙げたフォトモードですが、しばらく使ってみると不満点もいくつかありました。
- フレームがどれも汎用性が低く使いづらい
- 暗い場所が大半なので、全体的に暗い写真ばかりになる
- 明度をあげる設定はない
- カメラの移動範囲が狭め
- 明るい系の表情がない(暗い表情ばかり)
- 女性キャラがすぐ透明化する
表情に関してはジャンル上しかたないのかも。
女性キャラが消えるのはパンツ対策だと思いますが、ちょっと高さ変えたり、他キャラとかぶると即・透明化するので大胆な配置ができません。パンツ覗かないからもうちょっとユルくして…。
今や絶滅寸前の和風ホラーゲームの星
零シリーズ最新作(とはいっても2014年発売ですが)、なんだかんだとても楽しめました。
こういった日本舞台のホラーゲームって最近はかなり少なくて、有名なのだと他にはSIRENくらいしか思い浮かびません。あっちもずっと新作が出ていません。
「ホラーゲーム」はあまり売れないと聞いたことがあります。怖くてプレイできない→動画配信で済ませる人が多いのが一因としてありそうです。
零は正統派な和風ホラーの星ともいえるシリーズなので、ぜひとも今作が売れて続編が出てほしいものです。
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